カメラ オブジェに変身

20100923-721749-1-N美馬市木屋平の建築会社「田村組」の新谷美代冶社長(59)が、趣味で集めた古いカメラを間伐材で作ったケースに収め、「カメラ・オブジェ」として同市脇町のうだつの町並みで販売を始める。20歳代から集めたカメラは1000台以上。店は町並み内の吉田家住宅の近くで、オープン準備を終え、来月初旬にも開店する。新谷社長は「家のおしゃれなインテリアになります」とPR。住民らは「店は町並みの集客アップに貢献してくれそう」と期待している。

 新谷社長は、20歳頃からカメラに興味を持ち、田村組に入社して仕事現場の写真を撮るうちに、一層のめり込んだ。お金をため、古いカメラを一つ、また一つ買い集めては同じ趣味の友人と見せ合ったり、自宅で夜遅くまで修理したりした。「日本の豊かさは、精密工学で世界一になったおかげ」というのが持論で、集めたカメラは23歳頃には200台を超えた。

 いずれも昭和30年台以前に製造、販売された日本製一眼レフで、さらに県内外のカメラ屋に買いに出かけたり、送ってもらったりして1000台以上に。発売時の価格が14万~15万円ほどのものもあり、「合計すると家1軒建てられるぐらいは使った」と笑う。

 カメラは同市脇町にある会社の事務所に保管していたが、置き場所に困るほどで、最近になって、「カメラを持っていても古くなるばかり。間伐材でケースを作って入れれば、いい飾りになる」と思いつき、販売することを決めた。

 積み木を手作りしている技術を生かし、ケースは自社で扱っている様々な間伐材を台座と背板に加工、アクリル板で全体を覆った。高さ、奥行き各20センチで、横が40~60センチの3種類があり、いずれもカメラ3台が入る。。値段は8000~1万5千円で、カメラを含めて3万円前後で販売する予定。ケースのサイズは注文に応じるという。

 店は、吉田家住宅の並びにある西山家住宅を会社で借り、カメラを飾る棚を取り付けた。店では木工製品や、同社が数年前から栽培を手がけている農作物も並べる。新谷社長は「げた箱の上にでも置いてもらえれば。要望があればカメラ以外のケースも作ってみたい」と話している。

<読売新聞(2010.9.24)>


タグ: , , , ,