心を豊かに育てる木のおもちゃ「木育」の取り組み

baby-boy-600木で作られたおもちゃの手触りや、美しい木目の家具、檜風呂のいい香り。私たち日本人にとって、古くから慣れ親しんだ「木」は、五感で感じられるとても心地よい存在です。しかし、近代化が進むにつれて木でできたものは、私たちの身の回りからどんどん少なくなってきています。

そんな事態に対し、木を好きな人を育て木と親しむ「木育」というプロジェクトが行われています。木育とはどのような活動なのでしょうか。

◆「木育」とは?

木育は、平成16年に北海道庁が主体となった「木育プロジェクト」から生まれた言葉です。その後平成18年には木育の促進が閣議決定されました。子供から高齢者までを対象とし、木や、木を使ったものづくりに親しみ、さらにはその先の森林にまで考えることを目的とした活動です。

木育は、以下の3つのステップから成ります。

1. 触れる活動「触れ、感じる」

木のおもちゃや、木造の建造物、木製の生活用品などに触れ、感じることで、木の持つ温かさや香りなどを楽しみます。木の良さを知ってもらう段階です。

2. 創る活動「創り、楽しみ、学ぶ」

木工や日曜大工、彫刻、伝統工芸の体験を通して、木を使ったものづくりの楽しさや難しさを体感します。木材加工が、古くから受け継がれてきた日本の文化であることを学びます。

3. 知る活動「知り、理解し、行動する」

木についての興味や好奇心を元に、さらなる知識を得る段階です。木材と森林との関係、環境にやさしい木の利用、森林を守ることなどについて知り、実際に行動できる人材育成を目指しています。

◆「木育」の取り組み

木育を進めるための場所や、楽しいイベントが日本各地にあります。その一部をご紹介しましょう。

● 東京おもちゃ美術館 赤ちゃん木育ひろば

木のおもちゃでたくさん遊ぶことのできる、東京・四谷の「東京おもちゃ美術館」。中でも、1階の「赤ちゃん木育広場」では、0~2歳までの子供と親が一緒に遊ぶことができます。赤ちゃんにぴったりの、手触りのよい木のおもちゃがたくさん揃っているだけではなく、国産材を利用した床で、気持ちよくハイハイすることができます。お子さんだけでなく大人も、木の安らぎを感じられる、癒しの空間です。

東京おもちゃ美術館

● 木育キャラバン

東京おもちゃ美術館や日本グッド・トイ委員会などが共催する「木育ラボ」によるイベント。キャラバンボックスに、質の高い木製おもちゃを詰め込んで、全国どこでも出かけていきます。日本各地さまざまな場所で開催されている実績があります。

グッド・トイ キャラバン&木育キャラバン 開催スケジュール

● 無印良品の木育ルーム

企業による協賛も進んでいます。木製おもちゃの販売を行っている無印良品では、木育ルームを設置した店舗を増やしています。パパやママが買い物している間、遊んで待っていられるので、親子ともどもハッピーですね!さらに、専任のスタッフが付いて、週替わりの木育プログラムも準備されているという充実ぶり。それぞれの年齢に合ったおもちゃや遊びが提供され、飽きずに木に親しむことができます。

無印良品の木育ルーム

● 手作りままごとキッチン作りで木育促進

県産材を使った家づくりにこだわる群馬県の住宅会社「斉藤林業」は、建築派材を使ったままごとキッチン作りのプロジェクトを2012年から行っています。幼稚園・保育園と共同でキッチンを作り上げ、無償提供しているのです。先生たちだけでなく、子供自身が制作に携わることもあり、完成した時の喜びもひとしお。小さなころから本物の木のぬくもりや、木を使ったものづくりの楽しみを体感することができる活動です。

斉藤林業

五感に訴える木のおもちゃは、子供の感性を豊かにします。

日本の伝統でもある木の文化を次の世代に伝えたいですね。次の週末は、近くの木育イベントに出かけてみませんか?

コラム出典:心を豊かに育てる木のおもちゃ「木育」の取り組み

(by ならいごとキッズ マガジン)

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