香川の保存木、ホルトノキを守れ/樹木医らが治療

img_news香川県内の樹木医らでつくるNPO法人香川のみどりを育む会(川西玉夫理事長)などは1日、香川県東かがわ市引田の讃州井筒屋敷で香川の保存木に指定されているホルトノキの樹勢回復治療を実施した。地域住民ら関係者が見守る中、同法人のメンバーらが根元の土壌改良や枯れ枝を撤去する作業などに汗を流した。

治療は管理者の市ニューツーリズム協会が依頼し、かがわ水と緑の財団の「香川の保存木保護事業」の助成を受けて実施。同法人のメンバーや同協会関係者ら約30人が参加した。

ホルトノキはホルトノキ科の常緑高木。呼び名は江戸時代に平賀源内がポルトガル由来のオリーブと勘違いして「ポルトガルの木」と呼び、それがなまって伝わったとされる。同屋敷奥の広場にあるホルトノキは樹高13・5メートル、幹回り3・43メートルで樹齢は文献などが残っていないため不明。「井筒屋敷のホルトノキ」として2008年3月に保存木の指定を受けた。

近年、枝先が枯れるなど樹勢の衰えが目立つようになり、この日は「水分吸収がしっかりできる根づくり」(川西理事長)を目指して土壌改良作業などを実施。伸びた根の先端付近を重機などで掘り、土を固まりにくくする土壌改良剤や土の中を活性化する栄養剤などを入れて埋め戻した。

香川の保存木でホルトノキは同屋敷のものが唯一で、川西理事長は「まだ初期の段階で、適正な管理を続けていけば近く樹勢を取り戻すはず」と期待。作業を見守った同協会の大字正数副理事長は「貴重な樹木をみんなで育てていく意識が重要。守り続けられるようにさまざまな機関と連携していきたい」と話した。

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