森林研究で名大院と連携 県、資源保全など狙う

2013年6月21日

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林業の技術革新に向け、県森林・林業技術センター(新城市)と名古屋大大学院生命農学研究科(名古屋市千種区)は、学術面での連携協定を締結する。実習の現場を豊富に抱えるセンターと、高度な研究機器を備えた名大が、互いの持ち味を生かしてタッグを組む。地域の気象に見合った樹木やキノコの育成・開発などを進め、森林資源の保全や農家の所得アップにつなげる狙いだ。

センターは、三河地方に計五十ヘクタールの森林を所有。病害虫や土砂災害で被害を受けた山林も研究用に借り受けており、森林回復に向けた実地研究の場が多い。名大は、研究室の機器が充実している一方で、屋外の実習の場が限られていることから、協定締結で学生らの研究を充実させることができる。

センターは約二十年前、全国に先駆けて高級キノコのエリンギを人工栽培する技術を確立。シイタケの菌床からナメクジを遠ざける方法や花粉の飛散が少ない杉の研究にも取り組む。交配実験は、菌や植物の成長を経て成果が判明することが多いものの、大学の遺伝子検査を利用して品種開発の時間を短縮することが可能という。キノコの新品種や栽培技術は農家に還元し、中山間地の振興につなげる。

木材は近年、再生可能エネルギーとして注目されており、県は森林保全を急ぎたい考え。渥美半島などで古くから整備が進められてきた海岸林は、津波の威力軽減や防風にも効果があることから、立ち枯れの被害にあった箇所で、植林や苗木の育成に取り組む。センター技術開発部の山下昇部長は「林業は全国的に衰退が進んでいるものの、森の役割は今も大きい。先進的な知が集結する大学と、現場に精通したセンターが組むことで、大きな研究成果が得られる」と話している。

協定締結式は、名古屋大大学院生命農学研究科で二十八日午後一時半から。関係者を対象にした記念講演会も開かれる。

(小柳悠志)

中日新聞


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