高知県の「三嶺の森をまもるみんなの会」が冊子 5/20防鹿柵設置【高知】

e259ce12d4e89f0c6d9603700c2f2526高知県香美市の三嶺山系で深刻化しているシカの食害を啓発する冊子を、山の自然回復に取り組む「三嶺の森をまもるみんなの会」(依光良三代表)がこのほど出版した。高知県内外に食害の実態を広めようと、会の結成10周年を機に2千部作製した。

シカの食害は2000年前後に兆候が見え始め、2006年ごろから深刻化。三嶺や白髪山、さおりが原などで原生林が被害に遭い、希少植物の減少や、土壌が保水力を失ったことによる土砂崩れの問題が起きている。

三嶺の森をまもるみんなの会は登山愛好家や大学の研究者、行政による「緩やかなネットワーク組織」として2007年に発足。植物をシカから守るネット柵の設置、シンポジウムを通じた啓発活動などを行っている。

冊子は「シカ食害で痛む三嶺の森―再生への途と課題―」と題し、A4判105ページ。写真をふんだんに使い、樹皮が食べられて枯れた木々、崩れた山肌などを、食害の前後で比較しながら紹介している。シカが急増したメカニズムや、みんなの会の活動とシカの捕獲による植生回復の現状も解説している。

依光代表は「四国山地全体や全国で三嶺のような被害が起きないよう、高知県内外の人たちに実態を知ってもらいたい」と話している。

冊子は900円(税別)。金高堂書店や「三嶺の森をまもるみんなの会」のシンポジウムで販売する。

868eff0482a85fe32a007b7c724fc70b5/20に防鹿柵設置するためのボランティア募集

「三嶺の森をまもるみんなの会」と高知中部森林管理署は5月20日、香美市物部町の三嶺山系「さおりが原」で、ネット柵を設置する。参加するボランティアを募集している。

定員80人で、当日は午前7時10分に物部町大栃の奥物部ふれあいプラザに集合。1時間半ほどの山歩きが必要で、登山用の靴や昼食は各自で用意する。

高知、南国、香南、香美の各市から無料の送迎バスも運行する。雨天時は5月21日に延期。申し込みは5月12日までで、問い合わせは「三嶺の森をまもるみんなの会」事務局(088・850・0102)へ。

高知新聞