開校2年の高知県立林業学校に「山師」育つ【高知】

c905ca2d53a4f46cbe7fb6e21db39ba5高知県立林業学校(高知県香美市土佐山田町)が2年目を迎えている。不足する一方の「山師」を育てる山の学校だ。そこで学ぶ人たち、卒業した人たちは――。

7月中旬、香美市土佐山田町樫谷。奥深い山中で、「ドスン!」という大きな音が響いた。高さ10メートルほどの杉が倒れていく。

チェーンソーを片手に伐木作業に励むのは高知県立林業学校の2期生16人。いずれも初めての作業だ。

狙い通りの場所に木を倒せない研修生、チェーンソーの扱いが不慣れで時間を要する研修生…。

その中に手慣れた様子でチェーンソーを使う研修生がいた。岡豊高校出身の高橋成樹さん(18)=香南市野市町。製材業を営んでいた祖父が山を所有し、幼少時から山の中で時間を過ごしたという。

「小さいころから、おじいちゃんの山でシイタケを採ったり、重機に一緒に乗せてもらったりして。父も大工やし、やっぱり山に関わる仕事がいいと思ったんですよ」

推薦で林業学校への合格を決めると、祖父から伐採の手ほどきを受け、チェーンソーで木を倒せるようになった。高校卒業を控え、自衛隊に入ろうかと考えたこともある。森林組合などに就職する選択肢もあった。

それでも林業学校を選んだのは「大型機械など多くの資格を取れる」からだ。

安価な外国産材の影響や木造住宅の着工数の減少によって、林業は長い不振に陥っている。

高知県森づくり推進課によると、高知県内の林業就業者は1975年度に7463人いた。それが、2014年度は1602人に。約40年間で約2割にまで減った。

高知県内では高知おおとよ製材(長岡郡大豊町)の稼働に加え、宿毛市と高知市の木質バイオマス発電所の稼働により、近年の木材需要は高まっている。ただ、山から木材を出す林業事業体や森林組合といった「川上」のなり手は多くない。それが林業振興の足かせにもなってきた。…

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