「林業潤い山の手入れにも」
林業関係者ら22団体でつくる「湖東地域材循環システム協議会」(kikito)=滋賀県東近江市池庄町、阿野茂樹会長(62)=が、放置される県産の間伐材を買い取り、転売益などでコピー用紙を購入、販売する取り組みを始めた。山に捨て置かれる間伐材などをなくす狙いで、コピー用紙の売却益を間伐材の購入費に充てる。kikitoの担当者は「林業が潤い、山の手入れにもつながる。理解を広げ、コピー用紙の購入者を増やしたい」と意気込んでいる。
県内の間伐材を活用して、販売されるコピー用紙
間伐材の多くはスギやヒノキなど針葉樹でコピー用紙の原料に適さず、値段の安い段ボールやクラフト紙にしか使えないため、市価が非常に低い。運搬コストもかさむため、現状では伐採したまま山に放置されたり、林業者の敷地に積んだままになったりしている。
kikitoは、こうした間伐材を市価より高く買い取り、段ボールなどの原料となるチップを製造する米原市内の工場に転売。売却益に自己資金を足してコピー用紙を購入して売る。
コピー用紙の販売価格はA4判1箱(500枚×5束)が2460円、A3判1箱(500枚×3束)が2950円で、収益を間伐材購入費の一部に充てる。1箱売れると、間伐材20キロ分が活用できた計算になるという。
間伐材の買い取りは昨年に始め、4回実施。kikitoの大林恵子副会長(41)は「林業者にとって、自分たちが何十年もかけて育てた木が放置されるのは、間伐材であっても心苦しいこと。売る時のうれしそうな表情が印象的でした」と話す。
コピー用紙は滋賀森林管理署(大津市瀬田)がこれまでにA4判5箱を購入しており、kikitoでは今後、個人事業主らに販路を広げていく方針。値段は市販のものより高めだが、「林業の活性化のため、協力を呼びかけたい」としている。窓口はNPO法人「碧
あお
いびわ湖」(0748・46・4551)。
また、東近江市立湖東図書館(横溝町)で15日まで、kikitoの活動を紹介するパネル展を開催中。問い合わせは同図書館(0749・45・2300)。
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