間伐材使い2×4住宅 熊本県など共同事業 国産材の利用拡大へ

news20100909jpg九州森林管理局と熊本県、マンション運営大手の大東建託などが、国有林のスギの間伐材を使って「ツーバイフォー(2×4、壁組み工法)」住宅を建設する事業に官民共同で取り組んでいる。国産材の利用拡大だけでなく、間伐を促すことで二酸化炭素(Co2)削減などの環境保全効果も期待される。

 ツーバイフォー工法は間柱に合板パネルを張り付けて壁や床などを造る工法で、優れた耐震性などで人気が高く、着工数が年々増加している。

 ただ、同工法で一般的に使用される北米産材の価格は、中国の木材輸入量の増加などを背景に急上昇しており、低コストで品質が高い木材の確保が課題となっていた。

 そこで、大東建託は資源量が豊富で価格も安いスギの間伐材を利用した間柱を開発。北米産材とほぼ同じ価格で、日本農林規格(JAS)を取得するなど品質面でも互角だという。

 間伐材の安定した供給源を探していた同社と、国産材の利用拡大を目指す森林管理局の思惑が一致。昨年10月、熊本県内の国有林の間伐材を利用したツーバイフォー住宅の建設事業がスタートした。8月5日までに熊本、宮崎、鹿児島の3県で計33棟が完成している。

 今回の事業で1年間に使用する間柱用の木材は約7千立方メートルで、このうち森林管理局は国有林約20ヘクタールから約千立方メートルの間伐材を供給。さらに間伐面積を増やすことで、森林によるCO2の吸収量も増え、土砂崩れを防ぐ効果も期待できるという。

 森林管理局の工藤孝販売課長は「住宅用に使うことで間伐材の価値を上げ、将来の担い手不足の解消につながれば」と意気込んでいる。

=2010/09/09付 西日本新聞朝刊=

<西日本新聞(2010.9.9)>


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