2020年東京五輪・パラリンピックの施設を木を中心に造ったらどうなるか-。港区南青山のスパイラルガーデンで5日、模型や実物大で提案した展示会「Timberize(ティンバライズ) TOKYO2020」が始まった。大会終了後の木材の活用法なども紹介している。 (鈴木久美子)
木造建築や木材利用の可能性を考えようと、建築士らでつくるNPO法人「team Timberize」(新宿区)が主催した。建築士や学生ら百人以上が五月ごろから造った十数点が並ぶ。
江東区有明に予定される競技場と、中央区晴海の選手村をそれぞれ二百分の一と五十分の一の模型で製作。すべて木の観客席は実物大で登場した。木の特性を生かし、バレーボール競技場はカーブのかかった集成材を貼り合わせて円形の壁を作った。自転車競技場は組み立ての簡単な観客席を備えている。
終了後に住宅の大黒柱や構造材などに再使用できることもパネルで紹介している。八万人収容のスタジアムを夢の島につくる提案もある。近い将来に見込まれる耐火性を強めた素材の開発で、建築基準法上も問題なく建てられるという。
「五輪に向けた都市づくりが進む中で、木を活用してこんなこともできるのだと具体的に示し、木造を取り入れるきっかけにしたかった」とメンバーの一人で新宿区の建築士加藤征寛(ゆきひろ)さん(38)は話す。
五輪と直接関係はないが、住宅や公共施設などの模型も約百点陳列した。展示を見た千葉市の大学院生清水明彦さん(23)は「鉄骨やコンクリートの建築があふれる中で、木でできる建築はおもしろかった」と話した。
入場無料。会期は十五日まで午前十一時~午後八時。七、十三、十五日は午後二時からトークがある。問い合わせは、NPO事務局=電03(5369)4090=へ。