エナリス「地産地消する再エネ事業を」 林業+バイオマス発電+ウナギ養殖+電力供給【大分】

20140723エナリスは、大分県佐伯市において、森林未利用材を主な燃料とするバイオマス発電事業を行うに加え、発電以外の派生事業も手掛ける新たな再生可能エネルギー事業を行う事を発表した。

同事業は「地域の一次産業と再生可能エネルギー事業のバリューチェーン」をコンセプトに掲げる。地元の一次産業とバイオマス発電事業を組み合わせ、森林組合(林業)のほか、漁業や農業従事者とも協力し、発電以外の派生事業も同時に行うもの。さらに、発電した電力を「新電力(PPS)」を通じて地元の公共施設などに供給し、「地産地消PPSモデル」の構築を目指す。

事業スキーム

大分県佐伯市の事業では、木質チップ製造事業・バイオマス発電事業・ウナギ養殖事業の3事業を同時展開し、地元産業の活性化と電力の低コスト化を図る。

まず、佐伯市内の森林から間伐材、林地残材等の森林未利用材から、発電用の燃料とするチップを製造する。そのチップを燃料としてバイオマス発電を行う。さらに、同発電所のボイラーで発生する蒸気を冷却するときに用いた水を利用して、発電所立地の隣を流れる清流番匠川の水を加温し、ウナギの養殖事業を行う。

建設するバイオマス発電所の規模は約2,500kW。森林未利用材・一般木材(※建築廃材は使用しない)を燃料にボイラータービンを回し発電する方式。平成28年4月から稼働し、固定価格買取制度にて売電する予定。

また、今回の事業では、自社が特定規模電気事業者(PPS:新電力)として発電された電力を買い取り、佐伯市内の学校に供給する予定で、児童への環境教育に貢献する。

エナリスでは、同様にこれまで地元産業と再生可能エネルギー発電の両方を担う事業に取り組んできた。今まで培ってきた再生可能エネルギーの電源開発ノウハウと電力マネージメントノウハウを活かし、「農山漁村再生可能エネルギープロジェクト“佐伯モデル”」を全国的な普及に先鞭をつけるプロジェクトにしていきたいと考えている。

PPS(新電力)とは、一般電気事業者(電力会社)以外で、50kW以上の高圧電力を必要とする大口需要家に対し電気の小売り供給を行う事業者のこと。

環境ビジネスオンライン