木質ペレットストーブ 上山路小に試験導入へ 田辺市【和歌山】

2775651和歌山県田辺市は今秋、同市龍神村東の上山路小学校(滝本毅校長、57人)に木質ペレットストーブを市内で初めて試験導入する。木質ペレットは木を細かく砕き、圧縮成型した小粒の固形燃料。原料を地元から調達して将来的に森林資源の地産地消のサイクルを確立することなどが狙い。市山村林業課は「試験的に使ってみて、快適性やランニングコストなどの面で良好だと判断できれば、他の学校や公共施設にも設置を進める。補助制度を設けて家庭での普及も図りたい」としている。

木質ペレットは大きさが均一で一定の堅さがあるので、搬送や保管に便利。含水率が低く着火しやすい上、薪など他の木質の燃料に比べ品質が安定しており、燃焼効率が良いといった特徴がある。木材工場から出るおが粉や端材など残・廃材が原料として使われることが多く、森林の有効活用にもつながっている。

市は温泉施設への木質チップボイラーの導入など、木を活用した再生可能な資源「木質バイオマス」の利用促進に積極的に取り組んでいる。本年度は試験的に、燃料を安定して確保でき管理が比較的容易な木質ペレットストーブを、上山路小の普通教室に導入して使用することにした。現時点で、どのメーカーのストーブを購入するかは決まっていないが、価格は1基50万円ほどの見込みで、各教室用として6基購入する。

この事業には、市の本年度当初予算に350万円を計上。使用する木質ペレットは地元の間伐材が原料で、市内の業者から仕入れる。

木質バイオマスは、木を伐採したら植林するという人工林の循環を保てば、地域内での再生・持続可能なエネルギーとなる。市は、ペレットの原料を地元から調達するシステムを確立することができれば、森林資源の地産地消につながり、林業の活性化、新たな雇用の創出が期待できるとしている。

上山路小へのペレットストーブの設置は10月ごろになる予定。実際に使用した上で、費用や管理などさまざまな面から検討して良好であると判断できれば、龍神村内の学校から設置を進めていく方針という。担当者は「学校に導入することで、子どもたちが木に親しみ、地域産業である林業について学ぶきっかけになればうれしい」と話している。

【ストーブの燃料として使用する木質ペレット】

AGARA 紀伊民報