若手林業者育成へ専門班 能登森林組合、間伐の技術と知恵伝授【石川】

H20140623105石川県奥能登で林業に就く若者の増加を受け、能登森林組合(穴水町)は22日までに、若者 へ技術指導しながら間伐作業を行う専門班10チームを結成した。各班長にベテランを据 え、1~2人の若手班員とともに奥能登2市2町で活動する。若手には機械作業に加え、 経験がものを言う手作業での伐採方法や、伐採する木を選ぶ目利きも教え、良質な能登産 材の供給を図るとともに、若者が林業で生計を立てられるよう手助けする。

間伐専門班は30~60代の組合員が所属し、穴水町と輪島市、能登町、珠洲市の3支 所にぞれぞれ配置した。班長の指示を受けながら若手班員が、樹齢40~90年のスギや アテの間伐を担当する。

石川県の集計では、奥能登をはじめ県内で若い林業従事者が増えている。重機を使った作業 の効率化が進んだことで、近年は林業に対する若者のイメージが「きつい、汚い、危険」 という従来の3Kから、「かっこよく、機械化で、稼げる」の新3Kに変わり、能登森林 組合にも、求職志望の若者が多く集まった。

組合が把握する林業従事者の人数は、過疎化の影響で減少傾向が続き、5月1日現在で は122人と5年前に比べて28人減った。一方で若返りが進んでおり、10年前は60 代が中心だった組合員の平均年齢は、今や40代後半まで下がった。

木材の平均単価は景気によって左右され、時期によって大きく値段が変わる場合がある 。県によると、県内の林業従事者の1日の賃金は約1万2千円で、20年前に比べて23 ・2%上昇した。同組合は専門班の配置で、昨年度は約2万4500立方メートルだった 木材生産量を約1割増やし、組合員の所得向上を進めていく。

穴水町を担当する班長の宮西幸弘さん(62)は「林業は安全が第一。若手に自分が持 つ技術を伝えながら、良い品質の能登産材の生産を続けていきたい」と話した。

北國・富山新聞