間伐材の遊具、ネットで評判 下北山村の若者、本業に
下北山村の若者が、山仕事の経験を生かし、スギの間伐材による木製ブランコや鉄棒のキットをインターネットで販売している。丸太を組み合わせた素朴な味わいの遊具で、6年前にネットオークションに出品してから「木のぬくもりを感じる」と評判になり、1年前に副業から本業に転換した。
「自然工房ウッドウォームズ」の大上良平さん(32)。ブランコは高さ1.8メートルで、ナイロン製のロープとスギの丸太を半分にしたイスが付き、1人乗り2万2千円(送料込み、税抜き)、2人乗り2万8千円(同)。鉄棒や砂場、ベンチ、うんていなどもネット販売し、注文から1週間くらいで発送できるようにしているという。6年間で1千台以上を売り上げた。
キットは、購入者が自分で組み立てるが、基礎工事が必要な鉄棒は新築時に工務店に建ててもらうケースもあり、注文は茨城県が約3割を占める。大上さんは「庭のある住宅が多いせいかも。
お年寄りが孫にプレゼントするケースも多い」という。
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大上さんは13年間、地元の吉野きたやま森林組合で働いてきた。6年前、長男快斗君(9)と長女こころさん(7)の誕生日にブランコを自分で作ってプレゼント。試しにネットオークションに出品してみると、次々と注文が集まり、昨年7月に森林組合を退職、本業に転換したという。
材料は、三重県松阪市の森林組合からスギの間伐材を直径8~12センチの丸棒に加工したものを仕入れている。県内には加工場が少なく、値段も3倍もするためだ。
防腐処理は吉野町の工場に依頼しているが、上北山村の自社工場でホームページの作成から製造、発送まで、家族に手伝ってもらいながらほとんど1人でこなす。ムラのある間伐材の材質を見極め、ロープをかけるブランコの横架材には特に丈夫な材木を選ぶ。作業効率を高めるため、木に穴を開けるドリルを4台並べた作業台も工夫して作った。
大上さんは「間伐材の材質を見極めたり、作業の段取りを効率良くしたりする方法は山仕事で培った。品質には特に気を使うが、クレームはこれまで1件もありません」と胸を張る。ホームページ(http://www.wood-warmth.com/)などで販売している。(神野武美)
<asahi.com(2010.8.17)>
タグ: 三重, 奈良, 杉, 遊具, 間伐材
この投稿は 2010年8月18日 水曜日 1:45 AM に コト :: ACTION, プロダクト :: PRODUCT, モノ :: ITEM, 国内 :: IN JAPAN, 特集 / NEWS カテゴリーに公開されました。 この投稿へのコメントは RSS 2.0 フィードで購読することができます。
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