木質バイオマス発電事業の市民説明会、環境への配慮を強調【北海道】

140416_1住友林業などが紋別市の第3ふ頭に建設を予定している紋別バイオマス発電事業に関する市民説明会が14日、市文化会館で開かれた。一般市民を中心に約60人が参加。住友側の説明に耳を傾けた。質疑応答では、森林破壊など環境への影響に関する懸念も出たが、住友側は「法律の規制を遵守して事業を展開していく。燃料としての未利用木材などの計画的な利用で山が元気になるシステムをつくり、地域の産業を活性化させる事業を目指す」と力を込めた。

住友林業と住友共同電力の2社は、紋別バイオマス発電事業に向けて合弁でバイオマス発電の「紋別バイオマス発電株式会社」(片岡明人社長)、燃料チップ製造の「オホーツクバイオエナジー株式会社」(山東正典社長)を設立し準備を進めている。説明会は紋別バイオマス発電とオホーツクバイオエナジーの2社が主催し、紋別市が共催した。

説明会では事業者を代表して、オホーツクバイオエナジー社の山東社長が「いよいよ5月末にはチップ工場の建設が始まる予定で、ここまで来れたのも市民の皆様の理解と市の支援の賜物。事業によって再生可能エネルギーの安定供給を実現したい。また木質燃料の調達過程において未利用木材の有効活用を促進し、地域林業や地域経済の活性化につながるような事業展開を進めていきたい」と述べた。

また市側を代表して市木質バイオマス火力発電所推進室の野呂田厚司室長(市産業部長)があいさつ。「事業によって、燃料となる木材の収集運搬が安定的・継続的に行われるなどその全体的な経済波及効果は年間39億円と試算され、市としても計画に大きな期待を寄せている。事業にかかわる住友共同電力は、環境基準が大変厳しい神奈川県川崎市で大規模な木質バイオマス発電事業を行っており、環境対策もしっかりしていると認識している」と述べた。

(市民らが熱心に耳を傾けた説明会=写真=)

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