大川町東田代区を「森林の学校」指定へ【佐賀】

SP2014040499000104.-.-.CI0002佐賀県伊万里市は、住民が一体となって森林保全活動に取り組んでいる大川町東田代区を「森林(もり)の学校」に指定した。行政が広報活動などで地域を後押しし、森を考えるきっかけとして市全体に運動を広げたい考えだ。

東田代区は井手口川ダム上流に位置する世帯数32戸の山間部の地域。以前はヒノキの美しい原生林が広がっていたが、現在ではほとんどなくなり、森林や農地の荒廃が進んでいた。

この状況に危機感を抱いた住民は2年前から県の補助金を活用し、竹林の伐採やツツジの植樹を独自に実施。子どもたちを招いた体験キャンプなども行い、豊かな森林の復活に取り組んできた。

「森林の学校」指定は、こうした活動を知った市が「森林の大切さを考えるモデルになる」と決めた。伊万里市役所であった指定証交付式では、塚部芳和市長が「地域の高齢化が進む中、住民同士のきずなづくりにも役立つ」と話し、地区代表の渕上定さん(64)に「校長」の辞令を通達した。

今後、市は広報などで同区の活動を紹介し、森林保護や環境保全の大切さを市民にアピールする予定。渕上さんは「山の料理教室や自然エネルギーの研究などの講習会も開きたい」と抱負を語っている。

佐賀新聞