森林や温泉を生かした健康保養地を目指している和歌山県田辺市本宮町で24日、韓国の大学院生が森林活用の事例を視察した。NPO「熊野で健康ラボ」(本宮町)の案内で熊野古道を歩き、健康保養を目的にしたメニューを体験した。
韓国では登山の人気が高く、森林を生かした健康保養が注目されている。同国で唯一、森林と健康に関する学科を置く国立忠北(チュンブク)大学の大学院生が12日から、日本で先進地を視察しており、本宮町では熊野古道を生かしたメニューで効果を実証しているラボに学ぼうと7人が訪れた。
ラボが実施している健康ウオーキングを体験。古道の発心門王子―熊野本宮大社の約7キロを歩いた。ラボの木下藤寿代表の案内で、森の中で丸太の上に横になる横臥(おうが)外気浴などを体験。歩く前に健康チェックも行い、皮膚の温度を測定しながら「歩く中で体温が上がり過ぎないかを確認しています」などと説明を受けた。
本宮町渡瀬にある「クアハウス熊野本宮」では、温泉プールを使った水中運動も体験した。
キム・インスクさん(59)は「森の中で瞑想してみたのは初めて。人工的な音も耳に入ったが、気持ちよかった」と話した。