森林をシステムで最適管理 県研究所などが実用化目指す【三重】

PK2014013002100183_size0三重県林業研究所と大台町などが、「森林管理支援ツールe-forest(イーフォレスト)」というシステムの開発を進めている。実用化できれば、森林の成長予測と間伐効果などを判定し、森林所有者や事業者に森林の最適な管理方法を提案できるようになる。荒廃した人工林の再生が進むと期待されている。

開発に参加するのはほかに、三重大、筑波大、森林総合研究所、森林再生システム、トヨタ自動車、中部電力。計八機関で二〇一〇~一四年度に進めている。最初の三年間は、大台町とトヨタが町内に所有する山林計千五百ヘクタールを対象に、スギやヒノキの直径や本数密度、一番下の枝の高さ、木の細りなどを調べ、取得した情報のデータベース(DB)を構築した。

木を一本一本調べるのは多大な労力を要するため、レーザー計測装置を開発。半径七~十メートルの範囲を四十五秒で調べ、パソコン上で三次元で森林内の状況を映し出せるようにした。

開発中の森林管理支援ツールの概要を説明する野々田稔郎さん=大台町江馬で

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本年度からの二年間は、このDBを基にしたシステムの開発を進めている。対象とする森林の位置情報を入力することで、そこに生えている木の大きさや本数、材積などを知ることができ、現状把握に役立つ。さらに、間伐量に応じた残りの木の成長度合い、間伐する範囲に応じた作業経費なども示すことが可能になる。

今回の事業では大台町をモデルにしているが、研究所は県内の他地域でも使えるシステムにするためにデータ収集を進める計画だ。研究所の主幹研究員野々田稔郎さん(52)は「長年の経験や特定の技術がなくても、やる気のある人が管理できるよう手助けできるシステムにしていきたい」と話している。

中日新聞