美波町の日和佐森林組合は、保水力など山林の機能回復を目指し、同町北河内の町有林約14ヘクタールに広葉樹を植え始めた。広葉樹には土砂流出の防止や山の治水力を強化する効果があるとされ、県の森林整備加速化・林業飛躍基金を活用し2011年度まで取り組む。
本年度は半分の7ヘクタールに、5月下旬から約1カ月かけてクヌギ、クリ、ウバメガシなどの広葉樹の苗木計7千本を植えた。
日和佐森林組合は、これまで木材資源となるスギ、ヒノキなどの針葉樹を中心に植林しており、広葉樹だけを植えるのは初めて。
同町有林は、町と契約を結んでいた製紙業者が05年にマツを伐採、搬出した後、自然回復が遅れ、山肌がむき出しになった場所が残っていた。
入江照喜参事は「放っておけば山の機能は落ちていく一方。すぐに効果が現れるものではないが、住民の不安を少しでも取り除きたい」と話している。
森林整備加速化・林業飛躍基金は間伐による森林の整備、林業や木材産業の活性化を目的に県が09年度に創設。基金で広葉樹の植樹に取り組むのは日和佐森林組合が初めて。
【写真説明】山肌がむき出しになった場所に広葉樹の苗木を植える日和佐森林組合の作業員=美波町北河内
<徳島新聞Web(2010.7.30)>