兵庫県丹波市内の森林整備を進め、 木質資源をエネルギーにかえようと、 木材をチップに加工する工場 「木質バイオマス供給施設」 が、 丹波林産振興センター (柏原町下小倉) の敷地内に設置される。 同センター、 同市森林組合、 丹波ひかみ森林組合の3者が出資する 「株式会社バイオマスたんば」 (代表取締役=中尾正文・市森林組合長、 資本金3000万円) が運営。 森林資源活用事業として、 市が施設整備に1億500万円を補助する。 今春の稼働をめざす。
林産振興センターの山側に、 木質チップ製造機やオガ粉製造機を備えた加工棟 (鉄骨造平屋、 約400平方メートル)、 事務所棟 (木造平屋、 約35平方メートル)、 屋根付き原木置き場 (鉄骨造平屋、 120平方メートル) の3棟を建設。 木材をつかむアームが付いた機械1台や、 木材を運ぶフォークリフト2台も導入する。
原木に含まれる水分量が40―50%になるまで天日乾燥し、 機械で削り取るようにして最大で縦8センチ、 横4センチ、 厚さ2センチ程度のチップにする。 導入予定の機械は、 1時間で12トン処理できるという。 オガ粉は、 牛舎の床などに入れる家畜用の敷材としての活用を検討する。
主に丹波地域から出荷された木材を利用。 今後、 グリーンベル青垣以外の供給 (販売) 先を含めたチップの生産量などの詳細計画を詰めていく。 同社の中尾代表取締役は、 「森林整備が目的であり、 市のおかげで木材の熱利用もできる。 災害に強いまちづくりにもつながる」 と期待している。
森林整備に関する国の制度が切り捨てから搬出を奨励するようになっている中で、 市は林地残材の有効活用につなげようと木質チップの活用を計画した。 市は昨年4月から、 グリーンベル青垣 (青垣町田井縄) の温水プール東側に木質チップボイラーを設置。 木質チップを燃やし、 温水プールの熱源にする仕組みを稼働させている。
今年度は、 使用する木質チップを市森林組合から購入しているが、 来年度以降の持続的な供給元の確保が課題だった。 同プールで年間約780トンの木材を消費する見込み。 薬草薬樹公園 (山南町和田) の薬草風呂への導入も検討している。
写真・木材をチップに加工する 「木質バイオマス供給施設」 が設置される丹波林産振興センター内=柏原町下小倉で