厳寒の中、太布の糸作り 那賀で伝承会会員ら40人参加 【徳島】

200_5VhEZRJコウゾ(クワ科)の樹皮から採った繊維で織り上げる古代布・太布の糸作りが14日、那賀町木頭和無田の木頭創芸館前で始まった。地元の阿波太布製造技法保存伝承会会員や木頭中生、町内外から訪れたボランティアら約40人が作業に取り組んだ。

長さ2~3メートルのコウゾ約350本を、釣り鐘状の蒸し器に入れて約2時間加熱。蒸し上がると樹皮をむいて、あくで30分煮詰め、木づちでたたくなどして柔らかくした後、近くの那賀川で流水にさらした。1カ月ほど自然乾燥させると原料の繊維になる。

毎年、冷え込みが厳しくカビがつきにくいこの時期に糸作りに取り組んでいる。太布は江戸時代まで四国の山間地の多くで作られていたが衰退し、現在は木頭地区だけに伝わっている。

【写真説明】蒸し上げられたコウゾを取り出す会員ら=那賀町の木頭創芸館

徳島新聞