小田原市立町田小学校の6年生が続けてきた「木育」授業が、いよいよ大詰めを迎えている。昨年3月の体育館焼失がきっかけで始まった授業は、児童たちに地元の木工業に触れる貴重な機会を創出した。
同校の6年生は12月13日、市内久野の産業技術センターへ赴き、寄木細工の体験や糸のこ盤での加工作業などを見学した。
糸のこ盤では、新しい体育館に飾られる校歌ボードの文字の型抜き作業が行われた。「図工で使ったけれど、真っ直ぐ切れなかったよ」と、児童たちは、きれいに一文字一文字型抜きされていく作業に見とれていた。
ボードに使われた木材は、同校の体育館横に植えられていた桜の木。昨年の3月に焼失した体育館を再建する際に伐採されたものだ。PTAや同窓会は、悲しい事故が原因で伐採された桜の木を、新しい体育館に飾る校歌ボードとして活用するためプロジェクトを立ち上げた。
プロジェクトには市内の森林組合をはじめとする木工関連の団体などが協力。学校側も地元の木工業に触れる機会として、6年生の授業に組み込んだ。
この日は、市内郵便局が中心となって作成した木のポストも披露された。ポストは震災の被災地・福島県相馬市にプレゼントされるもので、児童たちは木のハガキにメッセージを書いて、投函した。