バイオマス発電 間伐材を活用 県内初、試験運転始まる【石川】

PK2013121902100211_size0石川県金沢市の市営造林の間伐材を利用したバイオマス発電の試験運転が十九日、始まった。資源の有効活用と地球温暖化防止が目的で、県内では初めての試みとなる。市は効果を見極め、来年度以降の本格運転を目指す考え。同市戸室新保の戸室新保埋立場では間伐材の破砕作業があった。(出来田敬司)

バイオマス発電は、大平沢町、鴛原(おしはら)町などの林で出た間伐材を利用。木くず破砕処理現場で破砕した後、同市東力の西部環境エネルギーセンターに運搬し、可燃ごみとともに発電用の燃料として利用する。

来年三月末までに間伐材五百トンを利用し、一般家庭八十世帯分に相当する二十九万キロワット時を発電。電力はエネルギーセンターなど市施設で使うほか、一部を電力会社に売却する。売電収入は三百八十二万円に上る見通し。

金沢市環境政策課によると、市営造林の間伐材は従来、そのまま林地に放置されていた。間伐材は腐敗すると極めて高い温室効果があるメタンガスを発生させるほか、豪雨の際に流出して河川をせき止めるなど、さまざまな危険性があった。

戸室新保埋立場ではこの日、約五トンの破砕処理があった。燃焼の効率を上げるため、枝葉の付いた造園ごみとともに埋立場の木くず破砕処理現場で処理し、トラックでエネルギーセンターに運搬した。

環境政策課の担当者は「電力会社が電力を買い取る固定価格買い取り制度ではバイオマス発電の方が、通常の発電に比べて買い取り単価が高い。本年度の結果を検証し、来年度以降継続するかどうかを考えたい」と話している。

中日新聞