森林整備に意欲的な地域と環境保全に取り組む企業や団体を仲介する県の「森林(もり)の里親促進事業」が、スタートから10年を迎えた。異常気象が頻発し、県民の地球温暖化への関心や環境に対する意識が高まる中、里山契約締結の第1号となった清涼飲料メーカーの「ダイドードリンコ」と朝日村は6日、同村のあさひプライムスキー場でさらに10年間の更新契約に調印した。
◆事業スタートから10年
森林の里親促進事業は、森林の環境維持を図りたい市町村・団体と、CSR(企業の社会的責任)活動として森林整備に関心を持つ企業を県が結びつける取り組み。里親となる企業側にとってはイメージの向上はもちろん、社員らが森林を訪れることで地域住民との交流が生まれ、社員の福利厚生にも活用できるなど大きなメリットが生まれる。
平成15年12月に締結された契約第1号以降、各地で契約を結ぶ市町村などが増え、10月末現在で47の市町村で95件の契約が締結されている。企業側から累計で約2億8500万円の支援が行われ、約2540ヘクタールの森林で整備が行われている。
◆延べ500人の社員が作業
ダイドードリンコと朝日村の里親契約は、年間50万円の森林整備費用の提供のほか、社員による社会貢献活動が44回行われ、延べ約500人が間伐や除伐などの森林整備作業に訪れ、村民や児童たちとふれあいを続けてきた。
今回の契約はさらに35年12月までの10年間、森林整備費用の提供と社員による森林整備活動を続けていく。
契約に調印したダイドードリンコ中部第一営業部(山梨県笛吹市)の金沢幸夫部長は「水源となる森林は清涼飲料を扱う会社にとっては大切な場所。これからも10年、さらに次の20年へと永続的な取り組みとして続けていきたい」と意欲を示した。中村武雄朝日村村長は「森林面積が村面積の87%を占める村にとって、とてもありがたいことであり、これからも結びつきを大事にしたい」と話した。