日本たばこ産業(JT)は、熊本県湯前町の町有林で展開する森林保全活動「JTの森 ゆのまえ」を5年間延長する。現在進行している1期目の協定期間が2014年3月に満了となる予定だったが、このほど同町との森林保全協定を更新した。多様な生物と共生できる森づくりを目指し、隣接する区域を新たに加えて対象を広げ、2014年4月から2期目として取り組む。
JTは2009年2月、熊本県の「企業・法人等との協働の森づくりに関する指針」の第1号事例として湯前町と5年間の協定を結んだ。約118haをJTの森 ゆのまえと名付けて地域と森づくりを進めてきた。対象区域の森林の下流に農業用溜め池があることから、水源かん養や土砂流出防備を目的に間伐や植樹、作業道の設置などを計画的に実施した。
今回保全対象に加えるのは、従来の地域に隣接する90.14ha。合計207.86haで協定を更新する。1期目の取り組みで「保育」から「利用」への転換が可能になった森林については、2期目で「循環可能」にするための伐採や利用間伐を推進する。また、全体としては、間伐、下刈り、枝打ちなどを継続して行う。森林はヒノキ、スギ材が主体になっている。
山から降りてくるニホンジカの加害も発生し、鳥獣害防護施設の設置も手掛ける。協定の更新に伴い、JTの宮崎秀樹・副社長と湯前町の鶴田正巳町長が、熊本県の小野泰輔・副知事の立ち会いのもと、11月30日に同町で調印する。JTは湯前町のほか北海道、山形、山梨、岐阜、和歌山、鳥取、高知、鹿児島県で「JTの森」の活動を展開している。