和歌山県日高郡みなべ町は7日、東神野川地内の「百年の森」用地で、第62回全国植樹祭の記念植樹を実施した。同植樹祭は平成23年に田辺市で行われ、本来は同年に植樹するはずだったが、9月の台風12号により土砂崩れが発生し、通行止めとなっていた。昨年度末に復旧し、2年を経てようやく記念植樹が実現。同植樹祭で展示されたウバメガシ2本が植えられたほか、緑育の一環として南部小4年生75人が広葉樹250本を植栽した。
全国植樹祭後の平成23年9月、百年の森づくりを行っている場所の近くで大規模な土砂災害が発生。予定していた記念の植樹もできなくなっていた。今回は、災害後初の植栽活動となった。記念植樹に合わせて、南部小学校の児童がウバメガシ、アラカシ、イチイガシなど5種類の広葉樹の苗を植栽し、「みなべ町民の森」と書かれた看板も取り付けられた。
小谷芳正町長は「土砂災害が復旧して植樹できるようになった。南部小学校の皆さんにはきょう植えた苗が将来どうなっているか、大人になったら見に来てもらいたい」、百年の森づくりの会の下村勤会長も「クヌギの木がいっぱい育っています。よくカブトムシやクワガタが集まってくる木なので、これからも足を運んで自然に親しんでもらいたい」とあいさつした。このあと小谷町長と下村会長らが全国植樹祭で展示されたウバメガシを記念植樹。児童らも約500平方㍍の土地に苗を1本ずつ丁寧に植えた。湯浅颯太君、矢田海都君、杉本嵐士君の3人も「いっぱい大きな木が育って豊かな森になってほしい」と話しながら苗を植えつけていた。作業終了後は現地でレンガを組んで窯をつくり、ピザを焼いて楽しんだ。
百年の森は、バブル期にサーキット場建設計画で約22㌶の森林を伐採。土がむき出しとなったまま放置されていたが、平成16年に旧南部川村が一帯の土地150㌶を購入。「みなべ百年の森づくりの会」を結成し、翌17年からボランティアらが植栽活動を展開している。