間伐材魚礁:順調に効果--松崎町 /静岡

CBK-040003H松崎町は岩地、雲見の二つの漁港の海底に沈めた「間伐材魚礁」のダイバーによる目視調査を実施し、順調に効果を上げていることが分かった。

 魚礁は昨年末、樹高3メートル、直径15~20センチの杉の生木200本を、丸太で三角形に組んだ計10基の「やぐら」に直立の形でくくりつけ、沖合100メートル、水深15メートルの海底に沈めた。

 調査は先月末に行い、両港とも魚礁の移動や材木の流失などの異常はなく、岩地港ではアオリイカが産み付けた卵の固まりが大量に確認された。雲見港では見つからなかったが、アジ、マダイなどの魚影が濃くなった。地元のレジャーダイビング業者がダイビングのスポットとして活用しているという。

 魚介類にすみかや産卵場所を提供する間伐材利用の魚礁は、海洋資源の確保と森林整備を連携させた農水省提案の取り組み。同町産業建設課によると、間伐材を魚礁に利用するケースは全国的にも珍しい。

 岩地港では1月下旬、海が荒れた影響で魚礁3基が海面に浮かび上がるトラブルがあったが、問題点を改善し改めて海底に沈め、固定した。同町は今後も調査を続け、効果があれば、魚礁を増やすことにしている。【中村隆】


毎日新聞(2010.7.14)より抜粋
画像: 間伐材魚礁(こちらより)


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