県「次世代検討委」8月発足 委員公募、林業振興へ連携強化

 徳島県は、2010年度終了の「林業飛躍プロジェクト」に替わる次期林業対策についての有識者会議「次世代林業プロジェクト検討委員会」を発足させる。間伐だけでなく、「主伐」にも対応した作業システム構築や、大都市・海外のニーズをとらえた商品展開についても意見を集約。木材産業の振興へ向け、生産から販売までの幅広い連携を図る。県民の意見を反映させるため、委員2人を公募する。

 検討委員会は林業・木材産業関係者をはじめ、大学教授や建築士、工業デザイナーなど幅広い分野の有識者ら約20人で構成する。林業の「川上」(森林組合関係者ら)から「川中」(製材業者ら)「川下」(販売、デザインなど)までフォローし、徳島の豊富な森林資源を生かした成長産業として発展を目指す指針とする。第1回の会合を8月中旬に開く予定。

 現行の「飛躍プロジェクト」の成果を踏まえ、林業従事者の労働条件改善や担い手育成、適切な伐採期に達した森林資源の活用などの課題に対応するため、10年度内に意見を集約。11年度以降、切れ間のない県の林業政策に反映させる。

 また、公共建築物の建材や内装材に国産木材の利用を進める「木材利用促進法」が今年5月に成立したのを受け、県が12月末までに策定する指針についても討議する。

 「林業飛躍プロジェクト」は07年度から実施。これまで、高性能林業機械による間伐・搬出を大幅に拡大し、住宅用部材や合板用材の供給体制強化を目指してきた。その中で、木材価格下落に対応した付加価値の高い県産材の開発、家具・バイオマスといった木材利用の新分野進出などの課題が挙がっていた。

 公募委員は20歳以上の県内在住者。希望者は「県産材の利用促進について」をテーマにした作文(800字程度)を提出する。受け付けは13日から26日まで。問い合わせは県林業振興課<電088(621)2449>。


徳島新聞WEB(2010.7.13)より抜粋


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