木材の多角的な活用について考える「清流日本木づかいフォーラム岐阜2013」(岐阜新聞、ぎふチャン主催)が9日、美濃市曽代の県立森林文化アカデミーで開かれた。東京大の安藤直人名誉教授(木質構造学)が木材を取り巻く状況について講演したほか、パネルディスカッションで木材利用の実践例を紹介しながら将来の展望を探った。
森林と木材の関わりや、林野庁が本年度から開始した木材利用ポイント事業を知ってもらおうと初めて開催した。
安藤氏は近年、木材の機能や環境貢献度が見直されていると説明。戦後、人の手で植林した森林が成熟期にあることから「木を切って使い、若木を植えることで森は守れる」とし、幼少期から木に触れて学ぶ「木育」の重要性を語った。
パネルディスカッションには、安藤氏と岡田贊三飛騨産業社長、大智寺(山県市)の東海良寛住職が参加。岐阜新聞社の野村克之広告局長がコーディネーターを務めた。岡田氏は、木材を圧縮する曲げ木の技術による製品開発、東海氏は間伐材を使って同寺境内に建てた住宅を紹介。「アイデアに技術が伴えば、木を使ったもの作りは楽しく、ビジネスチャンスも広がる」などの意見が示された。