日本製紙と日本コカ・コーラは今月、森林資源と水資源の保全・保護に関して平成33年3月末までの協働活動協定を締結した。製紙事業をはじめエネルギーや化学素材などの分野で森林資源を活用する日本製紙と、飲料製造で多くの水を使う日本コカ・コーラがそれぞれ、これまで培った環境技術や保全活動の経験などを生かしながら、森林と水資源の保全に向けた活動を実施していく。
協定締結のきっかけは21年。日本製紙グループ本社が四国コカ・コーラボトリングを完全子会社化したことに始まる。工場の操業改善ノウハウや管理部門の共有化を進める中、「環境分野でも協力できないか」という何気ない思いつきからだった。
両社に共通するのが、製造過程で“水”という自然資源を大量に使用すること。日本製紙は森林保全を、日本コカ・コーラは水資源保全に向けた活動を展開しており、「経験や知識を相互に生かしていけば、より効率的に森林と水資源の保全を進めることができる」(日本製紙の芳賀義雄社長)と判断した。両社が持つ環境技術などは「国内民間企業ではトップクラス」(日本コカ・コーラのティム・ブレッド社長)と自負するからだ。