間伐材搬出へ林道を整備 北都留森林組合、森の保全と活用めざす【山梨県】

20131022_07_1山梨県北都留森林組合(波多野晁組合長)は、組合員が所有する山林に林道を整備している。間伐材を森から搬出できるようにし、森林の保全と活用につなげることが目的。既に上野原市和見から桑久保を結ぶ林道は完成し、棡原地区の整備に着手している。

組合員が所有する山林の多くは急傾斜地で林道がほとんど整備されていなかった。間伐材を活用したくても運び出すために特殊な機械が必要となり、販売価格よりも出荷の費用が高くなってしまうため、搬出されずに放棄される状態が続いていた。

組合は昨年5月から上野原市和見-桑久保の林道整備に着手。かつて通学路にもなっていた山道に丸太を組んで路肩を補強したり、重機で地面を圧して砕いた石を全面に敷くなどして幅2・5~3メートル、全長約2・5キロの林道を完成させた。積載量2トンのトラックが通れ、山林約18ヘクタールから間伐材の運び出しが可能になった。

通常は1メートル当たり20万~30万円の高額な費用が掛かるが、現地にある木材や石材を使ったため、50分の1程度の同5千~6千円の予算で整備した。現在は棡原地区にも同様の林道を整備している。

昨年度は新しい林道から間伐材約536立方メートルを搬出できた。市場に出荷した木材は質によって建材や丸太、おがくずなどに加工される。

同組合は今後、毎年2~3キロの林道を整備していくとしていて、波多野組合長は「森林を大切に、有効に活用するために林道は不可欠。今後も継続して整備していきたい」と話している。

山梨日日新聞