森林保全条例:骨子案 届け出義務や罰則も 売買・開発を監視 【徳島】

nakagawa徳島県議会は、外国資本による水源地買収などを防ぎ、森林機能の保全を目指す「県豊かな森林を守る条例(仮称)」の骨子案をまとめた。水源の確保などに重要な役割を果たしている森林を指定した上で区域内での売買や開発に事前の届け出を義務付けるなどの内容で、従わない場合は勧告や罰則も盛り込んだ。県民から広く意見を聞くパブリックコメントを11月15日まで実施した上で条例案をまとめ、11月定例県議会に議員提案する方針。【阿部弘賢】

県議会の全会派が参加する政策条例検討会議が18日開かれ、骨子案が了承された。

案によると、条例の目的を「関係者の責務を明らかにし、豊かな森林を将来にわたって守り、引き継ぐ」と規定。水源の確保や災害防止などの面で重要な民有林を「森林管理重点地域」に指定し、区域内で土地を売買する際は事前に知事への届け出を義務付ける。また知事は売買による影響を調査したり、届け出をしない場合は勧告を行ったり、氏名などを公表できる。

さらに地域内のうち、特に機能保全に重要な場所では同じ年度内での大規模な伐採を制限するほか、水源確保や災害防止に悪影響を及ぼす開発行為も規制できるとしている。

罰則については具体的な記述はないが、県によると、同様の条例を導入している他県では、5万円以下の過料を科す例が多い。今後、詳細は検討するという。

森林管理重点地域は、条例施行後に市町村の意見を聞いた上で指定する予定という。

骨子案は県議会のホームページなどで見られる。パブリックコメントに関する問い合わせは県議会事務局(088・621・3009)。

毎日jp