神奈川県相模原市は10日、相模原市南区の通称「木もれびの森」(約73ヘクタール)のうち、県有地だった約20・1ヘクタールすべてを無償で譲り受ける契約を県と結んだ。中核市に移行した2003年から、森の中の民有地の買い取り業務を市が担ってきたが、今後は維持管理についても市が一体的に行う。
木もれびの森は南区大野台、東大沼などに広がる。県有地がすべて譲渡されたことで市有地は全体の43%に当たる31・5ヘクタールとなった。残る部分のほとんどは民有地で、市は民有地37ヘクタールのうち31・9ヘクタールで地権者と使用貸借契約を結んでおり、全体の約90%を直接管理することになる。県からは屋外トイレやベンチなどの物件も譲渡され、水みどり環境課では「効率的な維持管理に努めていく」としている。
木もれびの森は、1973年、首都圏近郊緑地保全法に基づき、県が「相模原近郊緑地特別保全地区」に指定。保全のために土地造成など利用は厳しく規制されている。市は2003年3月、保全活用の指針となる木もれびの森保全・活用計画を定め、中核市に移行後、一体的な管理を求めて県有地の無償譲渡を要望していた。