信大農学部と中部森林管理局 森林資源活用へ協定

2013-5-22

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信州大学農学部(南箕輪村)と林野庁中部森林管理局(長野市)は21日、県内の森林資源を有効活用するための連携協定を締結した。林業に必要な知識と技術を持つ人材を育成し、資源の有効利用や林業再生を通じて人と自然が共生する持続的社会をつくる。同学部の中村宗一郎学部長と同管理局の鈴木信哉局長が同学部で協定書を取り交わし、相互に連携、協力を深めることを確認した。

 同学部と同管理局は国連の定めた国際生物多様性年の2010年3月、生物多様性保全のための人材育成協定を締結。講師の派遣や高山植物に大きな被害を与えるニホンジカの行動調査、国有林内の調査などで協力し合ってきた。

 新たな協定は、連携事業を資源の有効利用や林業再生に向けた取り組みに広げる。森林分野では国内有数の研究機関として知られる同学部と、県内の国有林を管理する同管理局が連携を強化して森林を地域資源として活用する。

 新規事業として▽伐採と造林の一貫作業システムの導入と実証▽国産材型枠合板を使った治山事業▽樹幹解析による育成比較、世代交代技術の実証│などを挙げる。一貫作業システムは、伐採と造林を同時に進める方法を開発してコスト削減と効率化を図る。

 締結式で中村学部長は「大学の社会的責任が問われている。安心して暮らせる活力ある持続可能な中山間地域の形成と、中山間地再生に向けた多様な試みを進めていく」とし、鈴木局長は「国有林として持っている三つのアルプスを(研究)フィールドとして活用して」と応じた。

長野日報


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