2013/5/11
広島市は、間伐材を木質バイオマス発電の燃料として活用するため、市内の森林から運び出す費用を1トン当たり千円補助する仕組みを今秋から始める。再生可能エネルギーの普及を進める国の制度で間伐材の価格が上がるのを見込んだ事業で、林業者の収入増や里山の手入れにつなげる。
対象は、建築用材に使いにくい小さな間伐材(直径13センチ以下)を想定。市は間伐作業をした森林組合や町内会に、安佐北区と佐伯区の2カ所の木材集積所に運ぶための経費(1トン当たり平均3500円程度)と、買い取り価格(同2500円)の差額を補助する。年間1500トンの搬出を見込み、本年度は150万円を予算化した。
間伐材は民間業者によりチップにされ、製材大手の中国木材(呉市)の本社工場内にある木質バイオマス発電所で燃やす。県によると、間伐材の搬出作業への補助制度は珍しいという。
これまで小さな間伐材は利益が出ず、伐採しても森林に放置されがちだった。しかし、昨年7月に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で、間伐材を燃料とする電力の買い取り価格が1キロワット時24円と従来の2・7倍に設定された。間伐材の需用の高まりが期待されるという。
市森林組合(約6千人)の浅枝俊治組合長(67)は「山もきれいになる。組合員に制度の利用を呼び掛けたい」と話している。
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