2013.04.08
日本製紙は、間伐材などの未利用材を100%使用したバイオマス発電事業を実施する。国内で初めてという。八代工場(熊本県八代市)に木質バイオマス発電設備を新設し、これまで利用されていなかった木材を燃料にして発電を行い、2015年3月から再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づいて九州電力に売電する。
木質バイオマス発電設備は、約30億円を投資して設ける。5000kWの発電出力を持ち、年間発電電力量は、1日24時間、年間約330日稼働させることで約4000万kWhを見込んでいる。未利用木材を燃焼させて発電するバイオマス発電の現在の買い取り価格、1kWh当たり33.6円で計算すると、売電による年間の売り上げは約13億円になる。
燃料には、九州地区の間伐材や製品になる木の枝などの残材を使用する。間伐材や残材を森林から運び出すにはコストがかかることから、現在はそのまま森林に放置している。しかし固定価格買い取り制度によって20年間の買い取りが保証され、発電設備の設置、間伐材などの回収・加工費用を合わせても採算が取れると判断した。
バイオマス発電事業は、日本製紙が推進する製紙事業以外の事業育成の一環となり、山林事業のノウハウや発電設備の運営技術、木質チップの生産技術を活用する。100%未利用材由来の木質チップの供給も検討する。固定価格買い取り制度は未利用材に関して、一般木材の1kWh25.2円、リサイクル木材の同13.65円より高く設定している。【日本製紙(株)】
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