森林管理のために愛媛大が大学院コースを新設するそうです。
愛媛大は来年4月、全地球測位システム(GPS)や地理情報システム(GIS)を利用して、樹木の育成状況や山林の境界確定などの森林管理ができる技術者を育てる目的の大学院の特別コースを、久万高原町菅生にある県林業研究センターに新設する。同大によると、森林管理の大学院コースは全国でも珍しいという。【栗田亨】
同大や県によると、新設するのは、大学院農学研究科の修士課程となる2年間の森林環境管理特別コース(定員5人)と、1年間で土日開講が中心の社会人リカレントコース(同20人)。同センターの施設を利用して、講義や実習、企業でのインターンシップなどに取り組む。
県は総面積の約7割が森林に覆われている森林県でもあるが、林業従事者の高齢化などにより、放置されて所有区分の境界の確定ができないまま、伐採や搬出道路の整備などが難しい森林が多いのが現状。
これら県内の森林を有効利用するため、新大学院コースでは、GPSで位置確認し、樹木の本数や生育状況などをGISに書き込むことで、生育状況を把握したり、木材の搬出ルートを検討できる、林業技術者の育成にあたる。また、社会人コースには、現役の林業従事者のスキルアップを狙って、森林管理や法制度、木材の鑑定などのコースを設ける。
同大の林和男農学部長は「ITを使うことによって、森林管理と現場作業の両方をこなせる人材を育成したい」と話している。
同大と県による大学院コースの設置は、県紙技術産業センター(四国中央市)に今年設置された紙産業特別コースに続いて2例目。
毎日新聞(2010.6.17)より抜粋