2013年02月26日
四国の南半分を占める高知県は森林の比率が日本で最高の84%に達する山国で、木質を中心にバイオマスの利用が進んでいる。年間の日照時間が日本で2番目に長く、太陽光発電に適した環境でもある。県が推進中の共同事業方式でメガソーラーの誘致が本格的に始まった。
高知県の再生可能エネルギーで特に目を引くのは、バイオマス熱利用の多さである。西日本では最も多く、全国でも5番目の導入量を誇る(図1)。
最大の要因は県の84%を森林が占めている点にある。森林率では全国のトップで、ほかに8割を超えるのは岐阜県(82%)しかない。再生可能エネルギーの活用となれば第1に木質バイオマスに着目することになる。
木質バイオマスを成功させるうえで重要なことは林業との連携だ。未利用の木材を安定して入手できなければプロジェクトは成立しない。それが理由で実現しなかった例は全国に数多くある。
高知県では地元の森林組合連合会が木質バイオマスに期待をかけ、木材団地の中に発電設備を建設するプロジェクトに参画した。高知市内の木材団地に県内の間伐材などを集めて、燃料になる木質チップを作り、電力を作り出す。
木材の破砕・乾燥からチップの製造までを含む、一貫処理型の木質バイオマス発電所は日本で初めての試みだ。稼働予定は2015年4月である。発電能力は5MW(メガワット)、年間の発電量は3600万kWhを見込み、約1万世帯分の電力を供給できる規模になる。完成すれば木質バイオマス発電所のモデルケースになるだろう。
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