2013年02月10日
山林に放置されたまま未利用の間伐材を買い取る事業が9日、伊賀市北山のマルタピア協業組合で始まった。木材価格の低迷で山林の荒廃が問題となる中、地主に間伐 を促す県内初の取り組みだ。集まった間伐 材は、14年に松阪市で稼働予定のバイオマス発電施設で利用するという。【伝田賢史】
事業主体の「伊賀地域木質バイオマス利用推進協議会」は昨年11月、伊賀、名張両市と県、マルタピアなどが設立した。買い取り対象は伊賀地域で伐採されたスギ、ヒノキで、1立方メートルあたり3500円とした。
同協議会によると、伊賀地域で間伐が実施されている森林面積は約800ヘクタール。うち、間伐 材が利用されているのは6%程度に過ぎず、県平均の半分程度。しかも、建材や製紙用チップなどに加工される間伐材はわずかで、大半は山林に放置されている。木材価格の低迷で、搬出コストに見合わないという。
今回の買い取り価格ならば、軽トラック1台分で1500〜2000円ほどになるという。この日、マルタピアには軽トラック23台分・22立方メートルの間伐材が集まった。トラックが到着する度に、協議会メンバーらが太さや長さを測っていた。持ち込んだ伊賀市内の男性(61)は「50〜60年かけて育てた木を山に放置するのはもったいない。木材を何とか利用してもらうきっかけになれば」と事業の広がりを期待していた。
次回の買い取りは3月9日に実施。県伊賀農林商工環境事務所(0595・24・8142)。
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