2013年2月1日
前橋市は2013年度から、再生可能エネルギーの推進を目的に赤城山の木材を利用した固形燃料「木質ペレット」を使った暖房器具を試験的に導入する。市では今年度、日照時間が長いという土地柄を利用して太陽光発電の積極導入を図ったが、13年度はバイオマスエネルギーの可能性を探る。将来的には、森林資源の有効活用や雇用創出にもつなげたい考えだ。
木質ペレットは、製材時の切れ端や間伐材などを粉砕後に圧縮して、直径6~8ミリ、長さ2センチ程度の棒状に加工したもの。これを燃料にしたペレットストーブは、まきストーブと比べ煙が出にくく、灰の量は少ない。灯油を使わないため環境に優しく、家庭で炎を身近に感じながら楽しめるとして、東日本大震災以降は、各地で人気が高まっている。
市は、このペレットストーブを13年度に2台導入し、今年10月から建て替え工事が始まる市立粕川小学校と、林間学校などで子どもたちが利用する「赤城少年自然の家」に設置する予定だ。
設置工事には、まきストーブのような大がかりな煙突はいらないが、給排気口を壁に作る必要がある。市はこうした設置費も含めて1台約50万円分の予算を見込んでいる。
導入の狙いについて、市環境政策課は「電気を使わず、二酸化炭素の排出量の削減につながる。燃料代を考慮しても石油ストーブと同等との試算がある。初期費用はかかるかもしれないが、省エネ効果を考えれば一般への需要は高まると考えた」と説明。そのうえでペレットストーブを、多くの人が集う公共施設に設置すれば、市民の目に触れる機会も増えると判断した。今後、需要の増加が見込めれば、市民が購入する際の補助金制度の設置も検討している。
さらに市は将来を見据え、赤城山の間伐材の有効利用も進めたいとしている。13年度は、民間業者が生産した赤城山の木材を利用した木質ペレットを使用するが、その後も同様に私・市有林の間伐材が使えるまでに需要が高まることに期待をかける。
山本龍市長は「木質ペレットを軸とした事業は、間伐材を使用することでの雇用創出や森林の再生ほか、子どもたちの環境学習への活用など様々な可能性を含んでいる。事業を軌道に乗せて市の活性化につなげていきたい」と話している。
タグ: 国内 :: IN JAPAN, 木材, 間伐