2013年01月13日
大分県は昨年7月の豪雨で大量の流木が発生したことを踏まえ、災害に強い森林づくりを推進するため、地域森林計画の見直し作業を進めている。下流部にある住宅地などへの被害を抑え、漁業への影響といった二次災害を防ぐ観点から、河川沿いの人工林については流出の恐れのある木の伐採を急ぐ必要がある。本年度中に計画を策定し、新年度から早速、伐採事業などに着手したい考えだ。
豪雨災害では、河川の増水に伴い、木が土砂と一緒に押し流されたり、斜面が崩れるなどした。県は数万本の流木が発生したと推定。流木は下流部の橋桁や橋脚に引っ掛かって河川の氾濫を引き起こし、住宅地などへの被害を拡大させたとの指摘もある。別府湾や豊前海に流れ出した流木は、漁業関係者にも大きな影響を与えた。
土砂と一緒に流出の恐れがある木については切り倒す方針。土砂崩壊の危険性がある急傾斜地では河川から5~10メートルの幅で間伐して、広葉樹を交ぜて植えたり、自然植生を回復する案を検討している。事業は各市町村が担う。県は伐採費を全額補助する方針で、「これまで流木被害に特化した対策はなかった。事業効果が大きければ、県内全域に広めたい」(森林整備室)。
竹田市は、県の方針を受け、土砂の浸食被害が大きかった玉来川をはじめ玉来川水系の吐合川、滝水川の各上流部3地域、約30ヘクタールを事業対象の候補地として挙げている。事業を推進するには、所有者の同意を得た上で、市の森林整備計画を改正する必要があり、担当者は「所有者の数が多く、遠方に住んでいたりする人もいて、作業は難航している」と言う。
市は「6月の梅雨時季前までには順次、事業着手をできるようにしたい。被害を最小限に抑えるため、多くの人の協力をお願いしたい」と話している。
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