漁師と協力し郡上の里山保全 三重・志摩から間伐視察

2012年10月30日

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川でつながっている山と海で働く関係者らが森林について考える「猟師と漁師の里山保全プロジェクト」が、郡上市大和町でスタートした。二十七、二十八の両日には、市内の猟師や友好都市・三重県志摩市の漁師ら約二十人が参加して現地視察などがあった。

 猟師と漁師の交流から市民を巻き込んだ里山保全運動に発展させようと、市がNPO法人「メタセコイアの森の仲間たち」に委託して初めて実施。県の「清流の国ぎふ森林・環境税」を活用した。

 大和町内の旅館・清竜に集まった参加者らは、NPO法人ウッズマンの水野雅夫代表から里山レクチャーを受けた。水野代表は一九六一年の木材輸入自由化を指摘しながら「日本の木材は安価な外材に押されている。このため整備が進まない里山だけでなく、川、海の保全にも影響が出ている」と強調した。

 また「今は日本の杉が世界で最も安価」と説明。「日本の住宅メーカーの大量仕入れなどで大量に使われることは難しい」と見通し、人手が入らない里山の課題を挙げた。

 この後、参加者らは町東部の市有林に移動し、水野代表の間伐作業を視察。直径十六センチ、長さ三メートルほどの伐採木の価格が千円に満たないという説明を受け、林業の現状に関心を寄せていた。

 二日目には同町のジビエ・イタヤでシカの解体現場を視察し、シカとイノシシ肉でバーベキュー交流を楽しんだ。来年一月にはシンポジウムを計画している。

(島崎賢一)

 


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