日本は国土の7割が森林。でも木材自給率はたったの30%。そのわけは?

2012年11月4日

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世界では熱帯雨林の減少などの問題が発生し、東京都の面積の約24倍もの森林が毎年消滅している。ところが、日本の森の面積は約40年間で横ばい。むしろ森林蓄積量は年々増えているそうだ。

日本の森について考えるサイト「私の森.jp」によれば、日本の国土のうち約7割が森林。この割合は、先進国の中でフィンランドに次いで2番目に高い。つまり、日本は世界有数の森林国なのだ。このうち約半分が天然林、2割が人工林、その他3割が無立木地(樹木が生立していない林地)や竹林などで構成されている。

だが、日本は有数の木材輸入国でもある。日本の木材自給率は約3割。使用する木材の約7割を輸入に頼っているのだ。

「森林林業学習館」によると、日本の人工林は、昭和20~30年代、戦後の復興に必要な木材を確保するために政府が実施した「拡大造林政策」によって増加したという。当時の家庭燃料は木炭や薪が中心。木材は生活に欠かせない存在だったのだ。

その後、石油やガスの登場によって木材がエネルギー資源としての役割を果たさなくなった後も建築用材として活用された。この頃には木材自給率は9割以上あったという。しかし、木材輸入の自由化によって国産材の価格は高騰。外材の需要が高まり、木材自給率は急速に下降した。

一方、拡大造林政策は見直されることなく続けられて膨大な人工林が残った。そして、間伐や伐採などに掛ける費用を捻出することもできず、林業は衰退。森林は手入れがされなくなり。森は健全性を失っていった。

荒廃した森は山崩れが起こりやすくなるだけでなく、二酸化炭素の吸収能力も低下してしまうという。輸入に頼らず日本の木材を使用することは、森の手入れにも繋がり、洪水や土砂災害の防止、さらに二酸化炭素の確保という点からも重要なのだ。

こうした事態を踏まえて、農林水産省は「森林・林業再生プラン」を平成21年に策定。「10年後の木材自給率50%以上」を目標に掲げている。さらに農林水産省の資料によると、「地球温暖化防止への貢献やコンクリート社会から木の社会への転換を実現するための木材利用の拡大」といった目的もあるようで、単に木材自給率向上を狙うだけの取り組みではないようだ。

このような行政の取り組みが林業をいかに再生させ、そして日本の森林をどのように形作っていくのか。そしてそれが私たちの暮らしにどのような変化をもたらすのか…。今後の展開に注目だ。

スーモジャーナル


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