野生のトラ激減、絶滅の危機に

TKY200912170286アジアを中心に世界各地で生息する野生のトラが、20世紀初頭に比べ推定で3~5%程度にまで激減している。国際自然保護連合(IUCN)や世界自然保護基金(WWF)などがまとめた。WWFは来年3月まで、ホームページ(http://www.wwf.or.jp/da/)でトラがすむ森林の保全を目的とした寄付を募る。

 WWFなどによると、20世紀の初めには世界で約10万頭のトラが生息していたが、現在は推定で3千~5千頭とみられるという。トラには中国南部からインド周辺に生息するベンガルトラや、極東ロシアに生息するアムールトラなどの亜種があるが、いずれも絶滅の危機に直面している。バリトラやカスピトラ、ジャワトラは、すでに絶滅したと考えられている。

 トラが激減した原因は、毛皮をとったり剥製(はくせい)をつくったりするための狩猟とともに、トラの生息地となる森林の破壊が考えられている。野生生物取引の監視団体トラフィックイーストアジアジャパン(東京都港区)は「東南アジアを中心に、今も密猟や生息地の破壊が続いている」と指摘、「中国などにはトラの骨を薬の原料として用いる習慣がまだ残っており、密猟を誘発する一因になっているようだ。野生のトラの頭数は、いまや米国と中国で飼育されている数よりも少ない」としている。

(asahi.comより抜粋)