放置の間伐材 地域通貨で購入 京丹後市など11月から社会実験

2012年09月18日

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京丹後市内の山林で放置された間伐材などを山の所有者から地域通貨で買い取り、山林整備を支援する社会実験「木の駅プロジェクト」が11月から行われる。林業関係者や同市などによる試みで、関係者は「所有者が山を手入れする意欲を呼び起こし、山林と地域商店を活性化させたい」と意気込んでいる。

■山の手入れ 商店活性化 一挙両得

 「木の駅プロジェクト」は5年前、高知県いの市で始まり、全国に広まっている。行政や林業関係者らの組織が間伐材などを集積所「木の駅」で買い取り、木材チップ工場などに売却する。個人の山主では、これまで数量が少ないため売れなかった木材を集めることで一括売却できるメリットがある。

 京丹後市内では2年前から関係者らが森資源の活用を検討。市内の森林(約3万6千ヘクタール)で1ヘクタールあたり年間約125トンの放置材が出るとされ、今年8月に府や市、民間11団体などで実行委を組織、同プロジェクトに取り組むことを決めた。

 実証実験は11月から12月2日まで行われ、実行委が引き取る木材は直径10センチ、長さ1メートル以上で伐採から2年以内。チップにする木材の相場は1トン2千~3千円だが、1トン6千円で引き取り、山林整備を支援する。支払いには地域内の商店などで使える専用通貨(モリ券)を発行する。

 事務局の市農林整備課は「山の手入れが進むことで土砂災害や台風時の流木被害なども抑えられ、地域経済だけでなく周辺の環境保全にもいい」と話している。事業参加の説明会は大宮アグリセンターで19、26日午後7時半から。問い合わせTEL0772(69)0430。

京都新聞


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