2012年09月17日
日本緑化工学会(会長=藤原宣夫・大阪府立大教授)は、東京電力福島第1原発事故で汚染された森林の除染の推進を求めるアピールを発表した。特に国が直轄除染を行う除染特別地域(旧警戒区域と旧計画的避難区域)の復興には、住民が生活の基盤としてきた里山の回復が必要と強調している。
アピールは、主な汚染物質であるセシウム137は半減期が30年と長く、森林を除染しなければ、農地などを除染しても再度汚染される危険性があると指摘した。
また、国際原子力機関(IAEA)の専門家チームが昨年10月、日本政府に提出した最終報告書で「森林除染の必要性は低い」と結論づけたことについて批判。報告書が参考にしたと思われる旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)は、人口密度が低く緩やかで広大な地形が汚染されたために、森林を封じ込めの場として放置することも効果があるが、丘陵地形で降水量が多い福島県では事情が異なるとした。【藤野基文】
毎日新聞
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