未活用の間伐材ペレットに アミタHD、南三陸で実証実験

2012年06月23日
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 環境関連事業を手掛けるアミタホールディングス(HD、京都市)は、宮城県南三陸町のモデル事業として、未活用の間伐材などでペレットを製造し、園芸ハウスの熱源などに使う実証実験に乗り出す。森林資源を生かす仕組みを構築し、地域のビジネス創出と東日本大震災からの被災地支援につなげる。

 実証実験は、傘下のアミタ持続可能経済研究所(東京)が町の受託事業として行う。事業費は約3000万円。
 計画では、1日500キロのペレットを製造できる小型プラントを町内に設置。これまで放置されていた間伐材などを使い、10月から製造を始める。
 ペレットは園芸用ハウス向けにリースする2台のボイラーで燃焼させる。この熱で栽培した農産物を試験的に販売し、ブランド化や商品開発の可能性を探る。
 さらに一般家庭などにもペレットストーブ計30台を貸し出す。アンケートや聞き取りを通じ、課題などを確かめる。
 実証実験には地元の産業関連団体などが参加予定。より具体的な進め方などは、町が事務局を務める協議会で詰める。
 実証実験は来年2月末まで。その後は地元と一体となって事業化を図る方向で、1時間当たり500キロの製造能力がある本格的なプラント整備も検討する。
 アミタHDは「木材を使った地域循環の仕組みとビジネスモデルをつくっていきたい」としている。
 同HDは昨年7月に仙台市に東北オフィス、ことし3月に南三陸町に南三陸オフィスをそれぞれ開設している。

河北新報


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