2012.3.16 FUKUISHIMBUN ONLINE
福井県福井市の天然記念物ギフチョウや桜の木などの生態系を守ろうと、同市や市民組織、事業者、学識経験者らでつくる同市環境推進会議は足羽三山(足羽山、八幡山、兎越山)の雑木林の間伐に着手する。手始めに八幡山で竹の間伐を17日に実施。竹は、同市の農業体験・学習施設「一乗谷あさくら水の駅」(安波賀中島町)のイノシシ被害防止柵に有効活用し“一石二鳥”を目指す。(前田卓)
同会議の自然創造部会の委員から雑木林が拡大している足羽三山の間伐の提案があり、住民や地元団体「足羽山を愛する会」と連携して行うことになった。事務局の市環境課によると、八幡山ではモウソウチクの拡大が目立ち、日差しが入らない場所が増大。このまま竹などが繁殖しすぎると、ギフチョウや桜の生育の妨げになる恐れがあるという。
八幡山をはじめ足羽三山は大部分が民有地だが、地権者の高齢化などもあり十分に手入れができない箇所が少なくない。そのため、地権者や地元住民の同意と協力を得て八幡山を手始めに間伐することにした。17日午前にメンバーら十数人が桜の木周辺を中心に約50本の竹を間伐する。
また、切り取った竹はイノシシ被害に遭っている「あさくら水の駅」のビオトープで柵として活用する。同施設ではホタルの幼虫を飼育、ビオトープに放流しているが、イノシシに土を掘り起こされ、ホタルの育成環境の妨げになっているという。
市環境課は「今回の取り組みをモデルケースとして、地権者や住民の理解を得ながら足羽三山の生態系保護を進めたい」としている。
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