山口県の日本海側、萩・石見空港から車で50分の阿武町(あぶちょう)。林業の歴史は古く、鎌倉時代に奈良東大寺の再建に木材を提供したといわれる。しかし、高齢化と過疎化の影響で、県土の約7割を占める森林の維持管理が満足にできない課題をもつ。
これを解決するべく、観光業としての「森の手入れ体験」を始めたのが、阿武地域グリーン・ツーリズム推進協議会だ。グリーン間伐や枝打ちなど、初心者にも可能な作業を通して、古来日本家屋の文化も学べる。料金は3時間で2000円と手頃に体験ができる。
下関市立名池小学校5年生28人は、3泊4日の田舎体験にやってきた。「都会育ちの子供たちに、自然の中で活動できる機会を」という学校側の意向のためだ。大人の介助を受けながら、チェーンソーで木を切り、森の中で植物の役割を学んだ。また、小川の生き物の観察や、間伐材を使った工作も体験し、森を満喫したようだ。
同行した椙田教頭(52)は、「子供たちが慣れない山道で声を掛け合い、助け合う場面が印象的だった」と振り返り、今後もこの体験学習を続けたいと語った。
地域の課題を、新たな切り口で「資産」に変える。この取り組みが各地で行われることに期待したい。(オルタナS特派員 中川真弓)
◆この地域のおすすめポイント
1.子供でも参加OK
2.木を使った工作が出来る(作品はお土産に!)
3.初心者でもチェーンソーが使える
タグ: イベント :: EVENT, 参加型, 国内 :: IN JAPAN, 小学校, 森林, 間伐