2011.09.02
体重3トンのゾウから26グラムのコモリネズミまで――。国際環境保護団体「コンサベーション・インターナショナル(CI)」はこのほど、
世界7カ国の森林に自動カメラを設置して撮影したさまざまな哺乳類の写真を公表した。
CIの生態学者、ジョージ・アフマダ博士らのチームは2008年から10年にかけ、ウガンダ、タンザニア、スリナム、ラオス、コスタリカ、ブラジル、インドネシアの保護地域に60台ずつ、計420台のモーションセンサー付きカメラを設置。1カ月間同じ場所に置いたカメラがとらえた哺乳類105種類、計5万枚以上の写真を、英王立協会発行の学術誌「フィロソフィカル・トランザクションズ」に発表した。この中には、観光や密猟に来た人間の姿が写っている写真もあった。
アフマダ博士によると、これらの写真を分析した結果、生息場所の規模が大きいほど、動物の数や種類が豊富であることが分かった。また、昆虫を食べるアリクイやアルマジロは草食動物などに比べ、生息環境の変化に特に敏感だということも明らかになった。
記録された哺乳類が最も多かったのは中央スリナム自然保護区の28種類、最も少なかったのはラオス・ナムカディン国立保護林の13種類だった。
アフマダ博士は「地球上の哺乳類の多様性が、生息地の破壊によってゆっくりと確実に損なわれつつあることが確認された」と説明。「実態を監視するだけでなく、広く伝えることによって哺乳類を絶滅から守りたい」と語った。
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