久留米市小森野地区の筑後川水系宝満川で今月から、川岸に自然発生しているオオタチヤナギの伐採が始まった。茂りすぎると増水時に川の流れの妨げになるため、河川を管理する国が手がける。伐採した木は希望者に提供し、リサイクルに活用してもらう一石二鳥の狙いもある。
国土交通省の筑後川河川事務所によると、川の湾曲部の内側は流れが遅いため、土砂がたまりやすい。オオタチヤナギはこうした所に自生し、10年前後で成木になる。このため毎年、流域の各地で繁茂状況をみながら、地元地区と話し合ったうえで伐採している。
今回の伐採は4日に開始。新浜橋の下流で、左にカーブした左岸側の約700メートル区間。コンクリート護岸の一部が隠れるほど土砂がたまり、高さ10メートル前後のオオタチヤナギが川岸を覆うように連なっている。数百本あるとみられている。
ヤナギの群落が野鳥のすみかになっているとして、河川敷に広がる畑の耕作者から「鳥が農作物を食い荒らす」などの苦情が寄せられていたことも、伐採を後押しした。
伐採した木は枝を払い、幹周り10~30センチ、長さ数メートルのものを無償で提供する。昨年は、ストーブの薪やまな板への加工、キノコの原木などに利用するという人が引き取りにきたという。枝については別途、8月上旬にチップにして提供する。
いずれも提供期間は8月10日ごろまで。筑後川河川事務所(久留米市高野1丁目)近くの河川敷の保管場所に取りにいく。問い合わせは同事務所の久留米出張所(0942・32・7082)。(遠山武)
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